アーランと呼損率・待ち行列

アーラン:呼量の単位。
単位時間当たりにT件の呼があり、一件当たりの平均保留時間がtであれば、
[呼量]=T×t/[単位時間]
次元は[数量]×[時間]/[時間]なので無次元。

回線が利用された時間の総量(トラフィック量)について、1回線を1時間占有した場合の通信量が1アーランとなる。
アーランとは (erlang, ERL): - IT用語辞典バイナリ

例えば1時間当たり15回の呼が発生し,1回の呼当たりの平均保留時間が120秒であれば,呼量は15回×120秒/回÷3600秒=0.5アーランになる。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/word/page/10007833/

アーランは,待ち行列モデルにおける窓口の利用率ρと同じである。
待ち行列とトラフィック計算(3ページ目) | 日経 xTECH(クロステック)



呼損率:呼が生じたときに接続できない確率。呼損率0.1ならば、10回に1回繋がらない状況。

呼損率表が以下の通りだとする。(H16秋NW問36)

回線数\呼損率 0.1
3 1.271
4 2.045
5 2.881
6 3.758

表の意味は、呼損率0.1のときの回線数と呼量の関係を示している。例えば3回線有れば呼損率0.1で1.271アーランの呼を処理できる、ということになる。
例えば2アーランのときに呼損率を0.1以下にするには、表から4回線有れば2.045アーランまで捌けるので、4回線でよいことが分かる。しかし2.1アーランならば4回線では足らず、2.881アーランまで捌ける5回線が必要であることも分かる。



あと、待ち行列もややこしい。
覚えるべきところはこれら。

  • 平均到着率λ(平均到着時間Ta(=1/λ))
  • 平均サービス時間Ts(平均サービス率μ(=1/Ts))

のとき

  • 平均利用率ρ=λ×Ts (=λ/μ)。
  • 待ち時間W=Ts×ρ/(1-ρ)。

例えばオンラインシステムの処理の場合、「平均到着率」はトランザクションの到着率(単位時間当たりの到着数)、「平均サービス時間」は、処理にかかる時間と読み替える。

待ち行列とトラフィック計算 | 日経 xTECH(クロステック)
- サルでもわかる待ち行列

2014 徹底解説ネットワークスペシャリスト本試験問題 (本試験問題シリーズ)

2014 徹底解説ネットワークスペシャリスト本試験問題 (本試験問題シリーズ)