スイッチングハブのフロー制御

半二重の場合:バックプレッシャ

CSMA/CDのメカニズムを応用したもの。送信側に対して衝突信号を送出して、送信を待機させる。
具体例:スイッチング・ハブの空きメモリ容量が少なくなった状態でさらにフレームが送られてきた場合、スイッチング・ハブは衝突信号を送出し、故意に衝突状態を作り出す。衝突信号を検出した送信側では、送信を中断して送信待機状態になる。

全二重の場合:PAUSEフレーム(IEEE802.3x)

MAC制御プロトコルのPAUSEフレームを用いてフロー制御を行う。PAUSEフレームには中断時間(0〜65535)が指定されており、これを受け取った送信側は「中断時間×512ビット時間*1」送信を中断する。
具体例:スイッチング・ハブの空きメモリ容量が少なくなった状態でさらにフレームが送られてきた場合、スイッチング・ハブはPAUSEフレームを送出する。PAUSEフレームを受信した送信側では、送信を中断して送信待機状態になる。なお、空きメモリ容量が十分出来たときには、中断時間を0にしたPAUSEフレームを送ることで送信を促す。


2014 徹底解説ネットワークスペシャリスト本試験問題 (本試験問題シリーズ)

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*1:ビット時間:1bitを送信するのにかかる時間。512ビット時間は、100BASE-TXなら5.12μs、1000BASE-Tなら0.512μs=512ns。なお512ビット時間はイーサネットの最小フレームサイズ512ビット(64バイト)を送信する時間に該当し、衝突検出のための最小時間(スロット時間)に相当する。
参考:
ビット時間 - 通信用語の基礎知識
なんでイーサネットのフレームサイズは64バイト以上? (ネットワークのおべんきょしませんか?)